先日、化粧品分析で有名なかずのすけさんが呟いてらしたこちらのツイートが、私のTLで話題になっていました。先日「敏感肌が気になって美容皮膚科に行ったら『敏感肌ケアにオススメのピーリングがある』と勧められて数回施術を受けているものの、一向に敏感肌が改善しません…」というコメントを頂いて戦慄…😨どんなに優しい成分でも『ピーリング』と名の付くもので敏感肌が改善することは絶対にないです。
— かずのすけ (@kazunosuke13) March 23, 2020
顔のザラ付きや、ゴワ付きについては上記の記事に書いたことがあります。角栓についてはこの間ずいぶん長々と書いたので、本日は、「皮剥け」にフォーカスしていきたいと思います!
ベビーオイル洗顔による皮剥け症状に悩む方からよくご質問をいただくことが、「ピーリングローションを使ってもよいのでしょうか?」というご質問です。
「ダメです🙅♀️我慢してください🙇♂️」
ってことになります😂💦
◎そもそも、何故皮剥けは起こるのか...
死んだ細胞が幾重にも重なって、肌表面を「角質層」として覆っていることは、今までも何度も書いてきました。そしてその角質細胞の一つ一つの間をセラミドをはじめとする細胞間脂質がセメントのように埋めることで、強固な「肌のバリア機能」を形成しています。
じゃあ、そんなに強固に接着している角質層が、どうやって肌表面から脱落していくのか、というのが今回の問題です😊
少し古い、1999年の資生堂の報文です💁♀️
『角層の接着, 剥離の機構とスキンケアに対する役割』
角層細胞どうしは強固に接着 しているが, 表面か らはたえず古い細胞が脱落し, それを補うように常に新しい細胞が補給される。その結果, 角層自体は常に新しくなりながら一定の厚さを保つ巧妙な機構がはた らいている。通常では角層細胞の脱離は気づかないが, 肌荒れを起こすと落屑を伴った変化を生じる。
※ここでいう「落屑(らくせつ)」とは、”表皮の角層が顕著に剥離する状態”のことを言います。詳しくはこちらをご覧ください。
角層細胞の接着にデスモソームが大きな役割を果たし, トリプシン様, キモトリプシン様の2種類の酵素がデスモソーム分解をすることにより角層が脱落するという機構 が示された。この機構に影響する因子を調べると, その一つに角層中の水分量があ った。角層中の水分量が多ほど残存するデスモソーム量は少なくなり, 逆に角層中の水分が少ないとデスモソームの分解が抑制されることがわかった。
本研究の結果より角層の水分を保つことによ りデスモソームの分解が正常に戻り, そのことが落屑が消失する一つの理由と考えられた。保湿剤の作用メカニズムの一端を明らかにすることができた。
(太字はmimiがつけました)角層剥離に影響する他の因子として酵素活性自体の低下があった。トリプシン様酵素の活性が年齢とともに低下することが明らかになった。 角層が厚くなる魚鱗癬では両酵素の活性が低下することはすでに報告したが22), 加齢による角層肥厚 にトリプシン様酵素の活性低下が関与している可能性 が示 された。 この場合には保湿剤のみでは有効な改善効果は得られない。酵素活性を上げるか, デスモソームの分解を促進する薬剤が必要である。その作用をもつ薬剤 の一つとしてヒドロキシ酸があった。ヒドロキシ酸処理により角層の水分は増加しないが, デスモソームの分解は促進された
大切なところだけ要約すると...
✔︎通常の肌では、角層剥離していくことにすら気づかないけど、肌荒れを起こすと落屑(=皮剥け、と捉えていいと思います)するよ!
✔︎角層細胞同士は、コルネオデスモソームという糖タンパクの一種により接着されているけれど、二種類の酵素が働くことでデスモソームを分解して角質層の自然な剥離を促してるよ。
✔︎角層中の水分が不足すると分解酵素の活性が低下して、デスモソームがうまく分解されず、角層がくっついたままの状態で、ごそっと剥がれちゃうよ(=皮剥け状態になる)。
✔︎保湿して角質層の水分を保つことができれば、分解酵素がまたちゃんと働くようになるから、角質層は目に見えないくらいの大きさにバラバラになって自然に落ちていく=皮剥けがおさまるよ。
保湿をするとなぜ皮剥けが治まるのかというと、「寧ろ角質層の自然な剥離を促す」からなんですね!!(可能性のひとつとして) 個人的には結構、眼から鱗でした👀✨
項目別に、とても分かりやすい説明がされています。是非お時間がある時に読んでみていただきたいです😊
そしてこの状態で、またピーリング剤や強い洗顔料を使用して無理やり皮剥けを剥がしてしまった場合、肌は自分を守る為にターンオーバーを早めることになります。結果、いつまでも不全角化状態が改善されず、皮剥けし続ける…。
こうした悪循環になってしまう可能性が高いため、私はピーリングの使用をお勧めしません🙏
「大切なデートの前にどうしても」「もう精神的に耐えきれない!」という時は、仕方ないかもしれません。しかしその時も、せめてマイルドな泡石鹸で優しく洗うか、拭き取らないタイプのピーリングローションの使用程度に止めることを、個人的にはお勧めしたいです。
(結局、肌の回復スピードが遅くなり、結果的に長期の皮剥けに悩まされる可能性はありますが😂💦)
記事は毛穴に関するものですが、顔のお肌はそもそも他の部分の肌に比べても「不全角化」を起こしやすく、また肌荒れしている肌は「不全角化」を起こしていることが知られています🙏
その一方で、フェルナンデス先生は著書の中で乳酸やサリチル酸ピーリングの効果の高さも語ってらっしゃいます。なんとこれはびっくり!!!
— mimi@ベビーオイル洗顔 (@mimitan090909) March 3, 2020
エンビロン創設者のフェルナンデス先生は
「日本人は角質層が薄いため、洗顔方法にも十分な注意が必要。できるだけ洗顔料も使わず水だけで洗うことをお勧めします」
とおっしゃっているではないか!!!
同意見すぎる!!#drフェルナンデスの本↓
◎エンビロンのトナーはどうなのよ?
エンビロンで用いられるトナー(化粧水のような液体状の乳酸ピーリング剤) は、角質層の見た目を整える為に用いるものではないと理解しています⚠️
「エンビロンを使用するなら、トナーも使わないといけないとサロンで言われましたが、 mimiさんはどう思いますか?」
皮膚科医のトム先生のブログです。
何度も言っているけど
一部の人は 乾燥肌で 角質が不健全で潜在的に損傷してしまっている人がいる。
するとこの手の酸は肌に刺激になる傷みやすい、
弱い皮膚の人には ただでさえ、レチノール反応が出やすいのに
追い打ちかける必要はないだろってワタクシ思うんだ。
いや私も同意見です🙏
肌の機能で一番重視すべきなので「バリア機能保持」なので、それを損なってまでビタミンAを入れなくてもよいのではないかと、私は個人的には考えています🙃
普通肌の方や、ごわつきやすい肌の方は、使われても大丈夫だと思います!
ちなみにコメントを下さった方が受けていたものは一般に「コラーゲンピール」とか「マッサージピール」等と言われるもので、AHAやBHAより作用の弱いトリクロロ酢酸という薬剤を主成分にしたケミカルピーリングです。効果の強弱はあれどメカニズムは全く一緒なので、肌に刺激になるのは同じです。
— かずのすけ (@kazunosuke13) March 23, 2020
冒頭でご紹介した、かずのすけさんのツイート💁♀️
また、施術も手軽で、値段も比較的廉価であることから、頻繁に行う方もいるのかもしれませんが、何事もやり過ぎは禁物です🙅♀️🙅♀️◎ッサージピールそのものについては、否定するつもりありません😊
— 西田美穂@Beauty Tuning Clinic 院長 (@btc_incho) March 22, 2020
手技も簡単で、効果もあるので、良い施術だと思います。
とは言え、簡単であるが故に、どんどん広まり、やり過ぎて薄い肌になって
る人がいて警鐘🔔
そのプロトコールと科学には、若干疑問を感じています。
効果に疑問ありません😊
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