こんにちは!mimiです。

先日、化粧品分析で有名なかずのすけさんが呟いてらしたこちらのツイートが、私のTLで話題になっていました。

今日は、「ピーリング」と「皮剥け」について、私が思うところを書いて行きたいと思います😊


◎ピーリング、なんでしたくなるの?

私はいそいそと「ベビーオイル洗顔」でエゴサするのが日課なんですが(え?キモい?分かってます🤪)ベビーオイル洗顔を始めたばかりの方がよくつまずく事柄、トップ3ランキングが...

1位 角栓がモサモサする
2位 皮剥けしてきて化粧がのらない
3位 ベビーオイル洗顔が良すぎて、ほかのクレンジングの処遇に困る

です(3位は冗談ね...🤫)!


顔のザラ付きや、ゴワ付きについては上記の記事に書いたことがあります。角栓についてはこの間ずいぶん長々と書いたので、本日は、「皮剥け」にフォーカスしていきたいと思います!


ベビーオイル洗顔による皮剥け症状に悩む方からよくご質問をいただくことが、「ピーリングローションを使ってもよいのでしょうか?」というご質問です。

結論からいうと、私の意見は...

「ダメです🙅‍♀️我慢してください🙇‍♂️」

ってことになります😂💦


◎そもそも、何故皮剥けは起こるのか...

死んだ細胞が幾重にも重なって、肌表面を「角質層」として覆っていることは、今までも何度も書いてきました。そしてその角質細胞の一つ一つの間をセラミドをはじめとする細胞間脂質がセメントのように埋めることで、強固な「肌のバリア機能」を形成しています。

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じゃあ、そんなに強固に接着している角質層が、どうやって肌表面から脱落していくのか、というのが今回の問題です😊


この辺りの話は、こちらなつなつさんのブログに詳しいです🙏(カリクレインのお話のところですね😊)こちらのなつなつさんの記事を参考に、もう少し突っ込んだ内容を調べてみようと思い探してきたのが、こちらです💁‍♀️


少し古い、1999年の資生堂の報文です💁‍♀️

角層の接着, 剥離の機構とスキンケアに対する役割』


角層細胞どうしは強固に接着 しているが, 表面か らはたえず古い細胞が脱落し, それを補うように常に新しい細胞が補給される。その結果, 角層自体は常に新しくなりながら一定の厚さを保つ巧妙な機構がはた らいている。通常では角層細胞の脱離は気づかないが, 肌荒れを起こすと落屑を伴った変化を生じる。


※ここでいう「落屑(らくせつ)」とは、”表皮の角層が顕著に剥離する状態”のことを言います。詳しくはこちらをご覧ください。

肉眼で見えるくらいの大きさに、「皮が剥けている」状態をイメージしておいていただければ良いと思います🧐

角層細胞の接着にデスモソームが大きな役割を果たし, トリプシン様, キモトリプシン様の2種類の酵素がデスモソーム分解をすることにより角層が脱落するという機構 が示された。この機構に影響する因子を調べると, その一つに角層中の水分量があ った。角層中の水分量が多ほど残存するデスモソーム量は少なくなり, 逆に角層中の水分が少ないとデスモソームの分解が抑制されることがわかった。 

本研究の結果より角層の水分を保つことによ りデスモソームの分解が正常に戻り, そのことが落屑が消失する一つの理由と考えられた。保湿剤の作用メカニズムの一端を明らかにすることができた。

角層剥離に影響する他の因子として酵素活性自体の低下があった。トリプシン様酵素の活性が年齢とともに低下することが明らかになった。 角層が厚くなる魚鱗癬では両酵素の活性が低下することはすでに報告したが22), 加齢による角層肥厚 にトリプシン様酵素の活性低下が関与している可能性 が示 された。 この場合には保湿剤のみでは有効な改善効果は得られない。酵素活性を上げるか, デスモソームの分解を促進する薬剤が必要である。その作用をもつ薬剤 の一つとしてヒドロキシ酸があった。ヒドロキシ酸処理により角層の水分は増加しないが, デスモソームの分解は促進された

(太字はmimiがつけました)

大切なところだけ要約すると...

✔︎通常の肌では、角層剥離していくことにすら気づかないけど、肌荒れを起こすと落屑(=皮剥け、と捉えていいと思います)するよ!

✔︎角層細胞同士は、コルネオデスモソームという糖タンパクの一種により接着されているけれど、二種類の酵素が働くことでデスモソームを分解して角質層の自然な剥離を促してるよ。

✔︎角層中の水分が不足すると分解酵素の活性が低下して、デスモソームがうまく分解されず、角層がくっついたままの状態で、ごそっと剥がれちゃうよ(=皮剥け状態になる)。

✔︎保湿して角質層の水分を保つことができれば、分解酵素がまたちゃんと働くようになるから、角質層は目に見えないくらいの大きさにバラバラになって自然に落ちていく=皮剥けがおさまるよ。

✔︎年を取ると肌がゴワゴワしてくるのは、分解酵素の量が減るからだよ。この場合は、保湿剤塗っても良くならないよ!(まじか😂)
ヒドロキシ酸(乳酸)のピーリングをすると、デスモソームは分解されるようになるよ。


保湿をするとなぜ皮剥けが治まるのかというと、「寧ろ角質層の自然な剥離を促す」からなんですね!!(可能性のひとつとして) 個人的には結構、眼から鱗でした👀✨


また、年齢を重ねた肌には保湿剤よりもピーリングが有効、という話も面白いですね😂💦 私も、加齢による肌のごわつき(角質肥厚)には、定期的にピーリングをするのは賛成です😊(と言っても頻繁にするのはやはり🙅‍♀️)

個人の感覚としては、もしピーリングが必要になるのは、スキンケアに普段から気を付けている方ならば、40代くらいからではないでしょうか🙏そして正直、ビタミンAをスキンケアに使用している方は、ピーリングが必要な程の、肌のごわつきを感じにくいのではないかと思います🧐
私の母(60代半ば)も、ビタミンA(エンビロン)を使いはじめてから、肌表面の質感がとても滑らかになりました😊

※先程のなつなつさんのブログにも書いてありましたが、デスモソームの分解酵素の働きは、その抑制をしているLEKTIという妨害因子との兼ね合いという要素もあるようですし、あくまで可能性の一つということでご紹介しました🙏


◎ベビーオイル洗顔をすると、皮むけがでてくる理由

私のスキンケア持論の核となっているのが、20年前位に流行した「角質培養」と言う考え方です。

「角質培養」で調べるとよくでてくるのが、《サッポー美肌塾》のサイトです。(化粧品メーカーのサイトなのですが、内容が充実しすぎていてその域を超えています😂)



項目別に、とても分かりやすい説明がされています。是非お時間がある時に読んでみていただきたいです😊


こちらに、先ほどご紹介した論文の内容が、さらにわかりやすい形で説明されています。(引用が長くなるので、画像の形で失礼します)

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(中略)
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デスモソーム分解酵素もまた、肌が角化される過程で蓄えられ、角層がいざ剥がれ落ちる際に放出されるわけですね🙏

サッポー先生のおっしゃるとおり、ターンオーバーサイクルが乱れている肌では、「未熟な細胞が肌の表面に並んでいるにも関わらず、綺麗に剥がれ落ちていく力も弱い」という、一見矛盾した状態に陥ってる可能性があります😭


そして今まで、洗浄力の強い洗顔料や、ピーリング製品を使われていた方がベビーオイル洗顔に移行した場合...

洗顔料やピーリング剤で無理やり剥がし落としていた「デスモソーム分解酵素の不足した剥がれにくい角層」が、肌に残る結果、肌本来の状態が顕在化した😨

というのが、ベビーオイル洗顔を始めた方が皮剥けに悩まされる理由ではないかと、私は考えています🙏


そしてこの状態で、またピーリング剤や強い洗顔料を使用して無理やり皮剥けを剥がしてしまった場合、肌は自分を守る為にターンオーバーを早めることになります。結果、いつまでも不全角化状態が改善されず、皮剥けし続ける…。

こうした悪循環になってしまう可能性が高いため、私はピーリングの使用をお勧めしません
🙏


「大切なデートの前にどうしても」「もう精神的に耐えきれない!」という時は、仕方ないかもしれません。しかしその時も、せめてマイルドな泡石鹸で優しく洗うか、拭き取らないタイプのピーリングローションの使用程度に止めることを、個人的にはお勧めしたいです。
(結局、肌の回復スピードが遅くなり、結果的に長期の皮剥けに悩まされる可能性はありますが😂💦)


◎対策はあるの?

基本的な対策は、ベビーオイル洗顔を続けながら、保湿のケアに力を入れることです🙏


記事は毛穴に関するものですが、顔のお肌はそもそも他の部分の肌に比べても「不全角化」を起こしやすく、また肌荒れしている肌は「不全角化」を起こしていることが知られています🙏

不全角化」とは、なんらかの理由でターンオーバーが乱れ、未熟な細胞のまま角質層が形成されてしまう状態のことです。

不全角化が起こっている肌は、

✔︎肌が自分で潤う力

✔︎バリア機能

が低下している可能性が高いわけです😨


先ほど書いたように、①まず不全角化状態の肌は、デスモソーム分解酵素もうまく放出できていない可能性があります。

そして更に、②バリア機能の低下により角層の水分量が不足すると、デスモソーム分解酵素の働きは阻害されるわけです。

この①と②の理由から、まずは皮剥け=不全角化が起きている証、と捉え、セラミドをはじめとした保湿ケアに力を入れるのがおすすめです🙏

※ニキビ肌の方は、オイルフリー(オイル少なめ)のセラミドの保湿剤を選ぶと、ニキビの原因になりにくいと思います😊


簡単に言うと、怪我をしてかさぶたになったところを剥がしたら怪我の治りが遅くなると言う事は皆わかっていますよね?😀

皮剥けも、「肌が回復している最中の証」だと考えて、治るまで少し気長に待っていただけたらと思います😊✨


「ベビーオイル洗顔 皮剥け」でTwitter検索をすると、様々な方のご意見が出てくると思います。何回か皮剥けを繰り返して、1ヶ月くらいで大分よくなった、という方が、私の感覚では多い印象です🙏

こちらの、イチゴ鼻と戦うちゃんのブログが、ベビーオイル洗顔に伴う皮剥けの経過について、とても分かりやすく書いてくれています😊✨


◎アメリカ人とピーリング

アメリカ人はとにかくピーリング大好き!!(個人の偏見🙃)

これはおそらく、日本人よりも角層が厚く、角質水分量も多い、という肌質の違いが理由だと思います。日本人と異なり、白人の肌は色素沈着も起こしにくいですし🧐

欧米人と日本人の肌の違いについては、こちらのかずのすけさんのブログが詳しいです💁‍♀️


また詳しくは下記ツイートに連なるコメントを見ていただきたいのですが、エンビロン開発者のフェルナンデス先生も、著書の中で日本人の肌の角質層の薄さ、について言及していらっしゃいます🙃
その一方で、フェルナンデス先生は著書の中で乳酸やサリチル酸ピーリングの効果の高さも語ってらっしゃいます。

この辺りをどう捉えていけばいいのかは、私もまだ考え中です🙏

ただ直感的には、欧米人と全く同じケアが日本人の肌に合うかというと、そういうわけでもないだろうと思っています🙃


◎エンビロンのトナーはどうなのよ?

エンビロンで用いられるトナー(化粧水のような液体状の乳酸ピーリング剤) は、角質層の見た目を整える為に用いるものではないと理解しています⚠️

フェルナンデス先生の著書を読むとわかるのですが、肌に浸透しずらいビタミンAを、少しでもたくさん肌に入れる為に、「乳酸(AHA)で角質層のバリアを一時的に緩める」のが、トナーの役割です😊

「エンビロンを使用するなら、トナーも使わないといけないとサロンで言われましたが、 mimiさんはどう思いますか?」

...という質問も大変よくいただくのですが、私個人の意見としては、肌が敏感気味だったり薄めの方が無理して使用する必要はない、と考えています🙏


皮膚科医のトム先生のブログです。

何度も言っているけど

一部の人は 乾燥肌で 角質が不健全で潜在的に損傷してしまっている人がいる。

するとこの手の酸は肌に刺激になる傷みやすい、

弱い皮膚の人には ただでさえ、レチノール反応が出やすいのに

追い打ちかける必要はないだろってワタクシ思うんだ。 

いや私も同意見です🙏

肌の機能で一番重視すべきなので「バリア機能保持」なので、それを損なってまでビタミンAを入れなくてもよいのではないかと、私は個人的には考えています🙃

普通肌の方や、ごわつきやすい肌の方は、使われても大丈夫だと思います!

 
◎美容クリニックのマッサージピール

「でもあんた、常々マッサージピール(コラーゲンピール)勧めてるやんか!」と思ったあなた🙃


冒頭でご紹介した、かずのすけさんのツイート💁‍♀️

「マッサージピールが、敏感肌対策になる」というのはおそらくですが、「マッサージピールの“コラーゲン造成効果”が、ひいてはバリア機能回復の為に役立つ」という意味合いで言われたのかなとも思いますが...😅

私もマッサージピールはとても大好きな施術ですが、現段階で敏感肌になっていたり、バリア機能が著しく低下している肌の方にはもちろんお勧めしません😨

また、施術も手軽で、値段も比較的廉価であることから、頻繁に行う方もいるのかもしれませんが、何事もやり過ぎは禁物です🙅‍♀️🙅‍♀️

最初は2週間に一度のサイクルで5回、そのあとは1月から2月に一度、維持のために通うのがおすすめです、と言われる方が多いのではないかと思います🙃
普通肌の方であれば、1月に1回くらいのサイクルくらいなら問題が起こる可能性は少ないだろうと、個人的な感覚としては考えています😊

しかし、自宅でもハードなピーリング剤をたまに使ったり、ピーリングローションやピーリング石鹸を日常的に使っている方は、また条件が異なってくると思います😨

ホームケアは「洗いすぎない」「こすらない」「紫外線ケア」の基本三原則を行なってらっしゃる方であれば、一月か二月に一度のクリニックでのマッサージピールは、よい刺激になる可能性が高いと、私は考えています🙆‍♀️✨


まあいずれにせよ、肌がピリピリしているような状態な方にはトゥーマッチな施術だと思いますので、ご注意ください🙇‍♂️


◎ピーリングをどうしてもやりたいなら...

ここからは、特に根拠のない個人的な考えになります🙃

もし、どうしても日々のスキンケアの中にピーリングを取り入れたいと考えていらっしゃる方がいるなら、私は...

ホームケアではなく、クリニックでのピーリングをお勧めします🙏

肌のダメージをどう捉えるかという問題になるのですが、私の感覚ではお肌は、たまにガツンとしたダメージを喰らうよりも毎日弱いダメージを喰らうことに敏感な臓器、という印象があります🧐

これは、おそらく肌が、日々ターンオーバーを繰り返していることと関わってると思うのですが、確証はありません🙏


近くにクリニックがなく家庭用のピーリング剤を使うにしても、多くても週1回程度に留めるのが無難かと、個人的には思います。ピーリングは、その時一瞬肌が綺麗になったように見えるだけに、どれくらいのダメージが肌に与えられてるかが分かりにくいです😭

そしてそのダメージが顕在化するのは、少し後になってからになるわけですから、その時うっかりさんだと「あれ?また肌がゴワゴワしてるからピーリングしよう!」という思考に陥り、負のスパイラルに突入してしまうことは、想像しやすいですよね😂💦

クリニックでピーリングをする際は、専門家(医師)が肌を見てくれ、その後、看護師施術になるところが多いと思います。反応の度合いを経験のあるプロに見てもらえることと、それこそ個人では手に入りにくいトリクロロ酢酸(マッサージピール使用の薬剤)のような薬剤を使用することが可能です!

真皮層のコラーゲン再生にアプローチすることができるのは、マッサージピールの利点だと思います🙏✨

マッサージピールの利点はこちら💁‍♀️

せっかくリスクを取るならば、効果が見込める方を選ぶのがまだマシだろう、というのが、私の個人的な価値観です😊🙏



以上、本日は「ピーリング」と「皮剥け」についてお話ししてみました!

ありがとうございました🙇‍♂️